外来種で増えすぎ…のイメージだった『セイタカアワダチソウ』が実は素晴らしかった!
北海道では9月ごろから道路脇や空き地、河原など至る所で見かける黄色くて背の高い花『セイタカアワダチソウ』
外来種で、ものすご〜い繁殖力で、なんだかあまり良いイメージを持っていなかったのですが、先日きらくる村の村人さんで自然療法の講座を開いているマエマコさんと、遊暮働学仲間のあきらさんのワークショップに参加して、すっかりイメージが払拭されたんです。
今年の秋はセイタカアワダチソウをたくさん堪能しました。
その紹介をここではさせていただきますね!
セイタカアワダチソウの見分け方
こちらは当別の川沿い。
ワークショップ参加者みんなであきらさんを囲んでセイタカアワダチソウの説明を聞きます。
この時期、『オオアワダチソウ』というセイタカさんととってもよく似た草も生えています。
↑セイタカアワダチソウにそっくりなオオアワダチソウ
黄色い花はつかないけど、背丈も似ている『ヨモギ』もよく近くに生えているようです。
ヨモギは葉っぱを擦ると、ヨモギ餅のあの香りがするし、見た目にも似てはいるけどしっかり識別できると思います。
遠くから見ると『オオアワダチソウ』と『セイタカアワダチソウ』は瓜二つで全く識別ができません。
でも、今回あきらさんに教えてもらうと
『オオアワダチソウ』は茎がツルツルしているのに対し、
『セイタカアワダチソウ』は茎に細かい産毛が生えていて触るとザラザラしています。
それを意識していると、どんどん見分けがつくようになってきます!
わかると楽しくで、みんな童心にかえって草に埋もれながらどんどんセイタカアワダチソウを収穫していました!
また、花の咲く時期が違うのもポイントです。
『オオアワダチソウ』の方が少し早く咲くので、『オオアワダチソウ』の花はもう開ききっているものがほとんどだったのですが、『セイタカアワダチソウ』はまだ蕾の硬そうなものも多く、若い感じがしました。
このときは、9月1日の北海道。
9月の中旬になれば、咲ききった花と蕾が混在して生えていて、
恵庭付近では『オオアワダチソウ』がほとんど枯れ始めていました。
秋の花粉症といえば『ブタクサ』があります。
『セイタカアワダチソウ』は『ブタクサ』とよく間違われるようです
ネット上でも『花粉症の原因ブタクサ』という記事にセイタカアワダチソウの写真が使われていることがある。。。
↑葉っぱの形も花のつき方も全然違う『ブタクサ』!
あきらさんがいうには、“ブタクサは花粉を風に乗せて繁殖させていく植物であるために見た目も美しくない”とのこと!
虫に運んでもらう必要がないので、虫を呼ぶ美しさや魅力はなくても良いのだとか。
あと、「俺は、ブタクサだぁ!!🐷」という姿をしているそうです。( ^∀^)笑
それに対し『セイタカアワダチソウ』は虫に花粉を運んでもらわなくてはいけないので、虫を引き寄せる魅力的な花をつける、ということなんだそうです。
あきらさんの説明が面白くてどんどん聴きたくなっちゃいます!
「俺、ブタクサだぁ!」は頭から離れません。笑
この日は、『セイタカアワダチソウ』も事前に乾燥させたものを用意してくださっていたので、それを煮出してお茶にして飲んだり、桶にお湯と一緒に入れて『手浴』をしてみたりもしました。
セイタカアワダチソウの効能
この植物は、実は効能がすごかった…!!
- デトックス効果
- アトピー、喘息、胃腸病、腎臓結石、腎臓炎、膀胱炎、リウマチなどの改善
- 乾燥肌への効果
- 炎症の緩和
- 虫刺されの治療や怪我の止血、洗浄液としての使用
北アメリカ原産の外来種として忌み嫌われていますが、ネイティブアメリカンの重要な薬草とされ、整整腸剤や風邪、怪我への民間薬としての使用されてきた歴史があるそうで、現在もアロマオイルなども売られているようです!
息子もアトピーが完治していないので効果に期待!
外来種が現代の人たちの救世主になるかもしれません!
使い方色々〜お風呂編〜
セイタカアワダチソウは花が咲く直前の蕾の時に一番有用な酵素が蓄えられている様なので、蕾の多いものをたくさん刈り取ってきました。
↑必要分を洗い、蒸れない量で束ねて吊るして乾燥させました。
パリパリに乾燥したら、5センチくらいに刻んで木綿布で包みます。
今回、温熱効果や発汗作用が期待できる岩塩も入れました!
ピンクの岩塩がアクセントになって見た目も可愛い!!
有用な酵素が高温では壊れてしまうので、60度以下のお湯で成分を煮出すとのこと。
調べるとブログやYouTubeでもこの手の内容を挙げている方がたくさんいます!
煮出して色が出てきたら火を止めて、そのまま一晩おいて濃く出しても良いし、そのままお風呂のお湯に混ぜても良いです!
煮出したセイタカアワダチソウ液が入ったお風呂にお湯を注ぐと、泡立ち始めました!
これがまさしく名前の由来ですよね!
乾燥セイタカを2掴みしたくらいの量でもお風呂が色づきますが、中くらいの鍋一杯分くらいの多めに煮出すと、色も香りも濃くなるし、なんとなく効能もアップする感じがしましたよ〜!
すぐに感じた効果としては、お肌スベスベになるし、なぜかお腹のお通じも良くなるような???
これは関係があるのか謎ですが、お風呂の翌日色々調子が良い!?
ポリフェノールも含まれているので抗酸化作用もあり、2日〜数日は追い焚きして入っても腐らない!?
効能もまだ残っているようです。
我が家は追い焚き機能がないので、翌日は冷たくなったお風呂の水を少し減らして、熱めのお湯と再度煮出したセイタカさんを入れましたが、問題ありませんでした。
使い方色々〜お茶編〜
- 刈り取ったセイタカアワダチソウは洗って、風通しの良い場所で干します
- やかんや小鍋に入る大きさに切って、60度以下で煮出します
- ほんのんり色と香りが出てきたら、葉っぱを茶漉しやざるで漉して、完成!
癖もなく爽やかで美味しいです
長く煮出すと、少し青臭く感じるので、お好みの濃さと量に調節してみてください♪
使い方色々〜草木染め編〜
そしてセイタカアワダチソウは、こんなに可愛い鮮やかな黄色の染めものができるんです!!
セイタカアワダチソウが肌に良いなら、肌に触れる衣服や手拭いを染めることもきっと良い効果が期待できます。
今回は刈り取ってきてすぐに染め作業をしました。
セイタカアワダチソウ染めの仕方
【用意するもの】
- ステンレスや琺瑯の深い鍋(アルミや鉄の鍋での染め物は化学反応を起こすのでお勧めしません)
- ざる
- コンロ
- 水
- 焼きミョウバン(なくても良いですが色止めと発色を良くするのに使います)
- 豆乳もしくは牛乳
- 染めたい天然素材の布(綿、麻、絹、ウール)
【事前準備】
天然素材の布(綿、麻、絹、ウール)を用意。
絹、ウールは動物由来なので、タンパク質が含まれていて染料と結びつきやすいのですが、綿、麻素材は植物由来なのでタンパク処理が必要です。
豆乳もしくは牛乳1:水1を混ぜたものに、乾いた状態の布を30分ほど浸して、そのまま洗ったりせず脱水し風通しの良いところでしっかり乾燥させておきます。
タンパク処理ができたら、染める時はそのまま染料に浸します。
※下処理しなくても染まることは染まるのですが、色落ちしやすかったり染まりにくい場合があります
- 鍋に入る大きさにセイタカアワダチソウを切って、花も葉も茎も入れちゃいます
- 染めの場合は酵素のことはあまり考えず、高温でも良いかと思いますが、なるべく沸騰直前くらいで20分〜30分ほど色を煮出します(ボコボコ煮詰めすぎると色に濁りが出てしまう可能性があります)
- 火を止めたら、セイタカアワダチソウをザルにとり、なるべく細かい葉っぱも取り除きます
- 染液に布を入れます。トングなどでしっかり布全体を沈め、染液の中で揺らして布全体に染み込ませるようにします
- しっかり色が入るまで30分〜1時間くらい浸し、様子を見ます。染液が冷えていてまだ色も濃くしたいようなら、また火を入れてみたり、布を取り出して水洗いし、染液にまたセイタカアワダチソウを追加して濃度を濃くしてから布を入れるでも良いです。※今回、私は一晩放置して色を入れました
- 色がしっかり入ったら、布を取り出してしっかり水洗いをします。
- 1リットルに対し5グラムほど焼きミョウバンをお湯に溶かして媒染液(アルミ媒染)を作ります
- ミョウバンがしっかり透明になったら、染液から取り出して水洗いした布を媒染液に浸し30分くらい置きます。ミョウバンで媒染することによって色鮮やかな黄色になり、色落ちもしにくくなります
- 布を取り出し、しっかり絞って水洗いし、乾燥させて完成です
※今回の説明の下処理や媒染の方法以外にも色々な方法があります。媒染は、今回はアルミですが銅媒染、鉄媒染などで色の変化の仕方が違います
※ごめんなさい、この写真はキクイモ染めですが。。。
草木染めの自然な色合いは自然の風景にも優しく溶け込みますね。
今日から雑草は宝物!
きらくる村は、どこにでもある草木で染め物をして、身近にある自然の恩恵に改めて気付けるようなきっかけ作りをしています。
自然が全てを与えてくれているという無償の愛や『足るを知る』という感覚を感じられるようになると、本来の自分に返って生きやすくなります。
簡単なので、ぜひこれからは足元の草木に目を向け、暮らしに取り入れてみてくださいね!♪