楽しむ商品作り・手作りお菓子編

こどもたちの『やってみたい』を形に

今回の出店の話をもらってしばらくしたとき、思いを温めてきたふたりのこどもたちの口から、『今回もお菓子を売ってみたい』という言葉が出てきました。

 

ひとりは、うちの小4の娘。

 

もうひとりは、村人さんの高校生の娘ちゃんです。

 

 

ふたりとも、とても繊細なところがあり、あまりぐいぐい前に出ていくことをしないタイプ。

 

以前の村内の商店街(きらくるSHOW店)プレオープンのときに、ふたりはそれぞれにお菓子を作って出していました。

 

たくさんの村人さんに買ってもらって、美味しいねって喜んでもらって、とてもうれしかった記憶が蘇ってきたのかな。

 

 

しばらく静かに胸のうちで迷っていたようだけれど、ふたりとも同時期くらいに、それぞれの口から“やってみる”と力強い言葉が出てきました。

 

 

今回は内輪ではなく、大きな商業施設の一角で出させてもらうイベントです。

 

出店にあたり、営業届や、食品衛生責任の有資格者が必要だったり、お菓子も菓子製造許可のある工房で作り、しっかり原材料のラベルを貼らなくてはいけません。

 

親の受け止め力、やる気も試されます。笑

こどもたちの気持ちに寄り添う覚悟を決めて、初挑戦。

 

 

娘ちゃんたちのおかげで、大人の私たちもたくさんの学びがありました。

 

 

好きなことを仕事にする経験

日本のこどもたちの義務教育の期間って、

『仕事』の内側を見て知る機会があまりないよなぁと、感じます。

 

私がこどものときは、なんのために学校に行かなきゃいけないのかもろくに考えず、ただただ嫌々勉強をしに行っていた記憶が。笑

 

 

仕事に生きがいを感じ、心から喜んで仕事をしている大人も近くにいなかったし、

 

『仕事』はどこか、義務感や強制感のある『労働』というイメージしかありませんでした。

 

 

 

私と夫はいま『人生と一致したしごと』を生業にしていきたいと思っているので、

 

しごとには『喜び』『使命』『楽しさ』を持つことを大前提に考えています。

 

 

娘も小学4年生なので、もちろんまだ仕事するには程遠い年齢ですが、毎日のように夫婦の『仕事』へ対する考えを話あう様子を見せているので、それなりに何かを感じ取っている部分もあるかもしれません。

 

ひとまず、

『自分の好きなお菓子づくり』だとしてもひとからお金をもらうということに、

今回はある程度の責任感も産まれたようでした。

 

今回も仲良しコミュニティの『ときの森衣食住』さんの工房をお借りしてクッキーを焼きました。

 

今回、3度目の販売にして娘の意識も高まっており

焦げてしまったクッキーへのチェックも厳しく、ちゃんと娘なりに良い状態のものを商品にしようと考えてやっているようでした。

 

 

焼き終わり、ビニールで梱包を半分くらいしてから、袋の閉じ方を間違っていたことにきがつきました。

 

梱包もラベル貼りもすべてやりなおしになってしまい、

 

普段の2倍量の生地を計4回焼いて、へとへとになっていたところ精神的に打撃が大きかったようです。

 

 

『仕事って大変だー…』と途中投げ出しそうになりながらも、なんとかかんとか終わらせました。

 

ちゃんと、『仕事』と心得ているところがすごいなぁと、ひそかに横で感動する私。笑

 

 

 

ふだんなにげなくお世話になっているモノや食べ物が手元に届くまでに、いろんな人の苦労があることを想像できるようになったのではないかと思います。

↑お百姓の『くにちゃん』も工房に様子を見に来てくださいました♪

とても素敵なご夫婦の野菜の販売と取り組みは目を離せません(ときの森衣食住ホームページ

 

 

 

クッキー作りが好きだけど、それを仕事にしようと思えば好きの気持ちだけでできるものではないという壁にも直面する。

 

私もそれをこの年齢になってやっと、身をもって知ることができたので、こんなに小さなうちから知ることとなった娘を同志のように感じ、心からエールを送りたいと思いました。

 

やりきったときぜったい嬉しさは大きいはずだよー!!と励ましながら、娘の葛藤を見守りました。

 

 

 

辛い経験から生まれた愛のタルト

高校生の女の子も、夏の暑いこの時期に、扱いの難しいクリームを乗せるタルトなのでたくさん気を使ったことと思います。

 

使い慣れない工房のオーブンで、思うように焼けなかったりもしたそうです。

 

早朝から家を出て、工房で生地から作成し焼き上げ、下道一時間かかる距離の会場へ届け、午後から売り出すというなかなかハードな日となりました。

 

とても頑張りましたよね!!!

 

このタルトは、実はこの女の子(Aちゃん)のアレルゲンフリーのオリジナルレシピ!

 

 

Aちゃんは、たくさんのアレルギー疾患を抱えていて、食べられるお菓子も限られてしまうそうです。

 

現代の子たちは、アレルギーっ子が多いので、そんな子たちも笑顔になれるおいしいお菓子を届けたいという想いがあったそう。

 

何度も試作して、厳選された材料でやさしい甘みの見事きれいで美味しいいちごタルトができあがりました。

 

 

そこにかける情熱は本物だなぁ、と大人たちは感動してしまいました!

 

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▼新作も!ぜひ見てみてくださいね!!

タルト屋ゆきのした(@tarutoya_yukinoshita) • Instagram写真と動画

 

 

 

相手に思いが届いた!を感じられる対面接客

フェスタ当日、商業施設オープンから間もないうちはお客さんもまばらで、娘は想像とちがってお客さんがぜんぜん来ないことに不満げでした。

 

途中からまばらでもお客さんが来るようになりました。

 

みんなの声かけもあって興味を持ってきてくれるかたもいて、

少しずつ商品が売れていきます。

 

お店屋さんごっこも、クッキー作りも大好きなはずなのに、いざ対面接客となると照れて表情の硬い娘。

 

だけど、自分のクッキーは自分で手渡したいという想いが強くあったようです。

 

クッキーのところにお客さんがきたら、ぶっきらぼうなにも自ら接客をしています。

 

 

一日の後半には25袋のクッキーは完売!

 

 

その間、お客さんに手渡すときのお客さんの生身の手のぬくもりや感謝の言葉、

嬉しそうな表情を受け取って、

娘は『自分の作ったもので誰かが喜んでくれる』というかけがえのない体験を得ました。

 

感謝が『お金』という形で手元に返ってきて、娘の中で、またやってみようというエネルギーに変わったことと思います。

 

高校生の女の子Aちゃんも、

タルトをブースに届け売り始め得ると飛ぶように売れました!

 

一緒に販売していた村人さんたちは、Aちゃんのタルトへの想いをよそのお客さんよりずっと理解しているわけです。

 

その世界にひとつだけの美味しいタルトを食べてみたいと本気で購入したいと待ちわびていました!

 

村人さんたちも喜んで購入したし、フェスタ後半戦では接客の応援隊の村人さんも増え、

通りがかるお客さんにもさらに村のブースのアピールが届き、

何人にも喜んで買ってもらえました!

 

 

濃厚な体験から、

こどもたちにまたさらに『人と接する喜び』『生きる楽しみ』を感じてもらえたのではないかと思っています。